静岡家庭裁判所 昭和44年(少ハ)8号 決定 1969年10月04日
本人 U・H(昭二四・一・三生)
主文
本人を昭和四四年一〇月二六日から六か月間中等少年院に継続して収容する。
理由
本件申請の要旨は、本人は昭和四三年四月二六日静岡家庭裁判所において、傷害保護事件により中等少年院送致の決定を受け同年五月一日瀬戸少年院に収容され、昭和四四年一月二日満二〇年に達したので少年院法第一一条一項但し書による院長権限の収容可能の昭和四四年四月二五日まで収容を継続して矯正教育をしたが、その性格は十分に矯正される見込みがなかつたため、収容継続を申請した結果同年五月二日、同裁判所において、同年一〇月二五日までの六か月間収容継続の決定があり、現在引続き収容中であるが未だその性格の矯正は不十分であつて犯罪的傾向が除去されたとは認められないので、収容継続期間満了をもつて直ちに出院させることは、時期尚早であるので更に収容を継続して矯正教育を続ける必要があるというにある。
そこで、当裁判所は本人及び本人の父U・Zの陳述、瀬戸少年院保護係長法務教官平林勇の意見及び一件記録を総合して審理するに、本人は昭和四三年四月二六日傷害保護事件により中等少年院送致の決定を受け、瀬戸少年院に収容されたこと、その後昭和四四年一月二日満二〇年に達したが院長権限による収容可能の同年四月二五日まで矯正教育を受けたところ、その性格の矯正は十分でなかつたため同少年院の申請によつて、同年一〇月二五日まで収容を継続する旨の決定を受け、現在引続き矯正教育を受けていること、上記収容継続決定後における矯正教育によつても未だその性格は十分矯正されず、暴力、喧嘩、口論や生活態度不良等の紀律違反を続け、反省の面で著しく欠けるところが認められる。
以上の諸点を総合して判断すると本人の矯正教育は未だ十分ではなく、このままでは社会復帰がむつかしいから今暫く収容を継続してその性格の矯正を計ることが必要であると認められるから本件申請は理由がある。よつて少年院法第一一条四項、少年審判規則第五五条により主文のとおり決定する。
(裁判官 相原宏)